世の中は発展するにつれて法整備が進み、制度やルールが定まっていきます。
もちろん、それらの制度は、多くの人が共存するにあたって平和で公平な世の中にするため、様々な角度から論点を整理して多くの政治家たちが時間をかけて決定しています。
ですが、最近の新しい制度は、原点に帰ると少し疑問のある制度が多い気がするのです。
1.学習指導要領改訂による「生徒に一切触ってはならない」という制度
→触ればわいせつ行為となる?
水泳や柔道などスポーツの指導、弦楽器など音楽の指導など、触れなければ指導の質が著しく落ちると思われるような場合はどうすればいいのか。
2.いきすぎた働き方改革
→人員を十分に抱えており人手不足を補える大企業は問題ないかもしれないが、従業員の少ない中小企業は?
社員は17時に退社し、役員が深夜まで労働するケースが多く見られるようになった。被雇用者が守られる制度も必要だが、同時に雇用主も守られる制度も必要ではないのか。
3.人手不足の中、医療・介護・保育・幼稚園施設への厳格で過度な人員配置基準
→例えば介護に定められた人員配置基準は、入居者3人あたり1名以上の介護職員(または看護師)となっており、人手不足による福祉施設の倒産・廃業が増えている。
医療・介護・保育は人手不足が著しい。施設の環境も近代化・機械化が著しく進んでおり、以前のような人員配置基準は必ずしも必要ないと感じる。また、ベテラン職員などの能力(知識やスキル等)も加味し、配置する人材を点数制度にした人員配置基準にすることも検討するべき。
4.たとえば、インボイス制度によって年間わずか30~50万円程度の所得の人まで課税対象となった
→たしかに、納税は国民の義務ではあるが、納税をすることで生活ができなくなるという人も一定数いる。
指宿で言えば、年金生活者の高齢者に子や孫のため、体力の許せる範囲でオクラなどを植えたりして生きがいや健康に繋げている農業従事者もいる。彼らの売り上げまで課税対象となっているのは、些か疑問が残る。
インボイスは制度がスタートして間もないため、効果や評価は尚早であるものの、まずはこのような低所得者の救済は絶対に必要だ。
5.食品衛生法が改正されて「〇〇さんの手作り漬物」など、道の駅でも販売されていたような心のこもった商品が販売できなくなった
→地方であるほど、この声は多く聞こえる気がする。
消費者を保護する目的も本当に大切。しかし、この法改正は地方のコミュニケーションから形成される食文化というものを反映させていない気がしてならない。
国は、事が起こるたびに対策という縛りを作り、制度の中でしか生きていくことができないようにしていませんか?
人が集まるところにはルールがあって、人がみんなで生きていく以上は制度は絶対に必要。
そして反映するほどに制度は増えていき、厳しくなっていくものです。
かといって、制度で雁字搦めにして良いのでしょうか。
考えて行動する必要がなくなり、指示待ちの大人ばかりで、無機質な人が増えています。
教育現場からは、「問題のある生徒にかかわること、保護者に関わること、クラブ活動に関わることは教師人生を短くする」といった声が聞かれます。
道徳は法律に優る。
このままでは、どこか生きづらく魅力のない社会に近づいている気がしてなりません。